「虚構」による発展! ~サピエンス全史① 認知革命~

2024
Polaris Books
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今回の本は、世界的に大ヒットし、ビジネス書グランプリ2017 リベラルアーツ部門 第1位にも輝いたユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』です!

現代社会における私たちの悩みの一つに、「自分は変わることができるのか?」というものがあると思います。今回紹介する本『サピエンス全史』はその答えを探る鍵を提供してくれます。本書は、約7万年前から起こった3つの革命を通じて、ホモ・サピエンスが他の動物とは異なる特異な存在となり、複雑な社会や文化を築き上げてきた経緯を解き明かします。著者ユヴァル・ノア・ハラリの洞察に基づき、僕は信じる「虚構」を変えることで、自己変革が可能であると考えます。例えば、失敗という結果だけに囚われ恐れるのではなく、「失敗は成長の糧である」といった考え方にシフトすることで、自分の未来を大きく変えることができるでしょう。本記事では、『サピエンス全史』の「認知革命」に焦点を当て、その内容と私たちに示唆する未来への可能性について深掘りしていきます。読むことで、あなたも自分の信じる「虚構」を見直し、新たな一歩を踏み出すきっかけを得られるかもしれません。

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今回は「認知革命」についてとそこから僕が考えたことを紹介します!

サピエンス全史ってどんな本?

Cartoon human evolution isolated flat vector illustration. Man from monkey and caveman to cyborg or robot. Reality, history and anthropology concept

『サピエンス全史』は、私たちホモ・サピエンスがどのようにして地球の支配者になり、現代社会を築き上げてきたのかを、生物学、歴史学、経済学など多角的な視点から描き出した壮大な物語です。

なぜこの本がこれほどまでに読まれているのか?

・人類史への新たな視点: 従来の歴史観とは異なり、生物学的な視点から人類史を捉え直すことで、私たちがいかに特殊な存在なのかを深く理解させてくれます。

・現代社会への深い洞察: 現代社会が抱える様々な問題、例えば不平等、環境問題、AIの発展など、その根源を歴史的な文脈の中で深く掘り下げています。

・わかりやすい文章: 学術的な内容でありながら、平易な言葉で書かれているため、専門知識がない人でも読み進めることができます。

・壮大なスケール: 7万年の人類史を、まるで小説を読むように面白く描かれており、読者を飽きさせません。

本書は大きく「認知革命」「農業革命」「統一」「科学革命」の4つのテーマに分かれています。今回は「認知革命」をテーマに書いていきます!

認知革命とは?

『サピエンス全史』の中で、ユヴァル・ノア・ハラリは「認知革命」を人類史における最も重要な転換点の一つとして取り上げています。この「認知革命」は、約7万年前に起こったとされる、私たちの種「ホモ・サピエンス」の認知能力の飛躍的な向上を指しています。これが何を意味するのか、そしてなぜそれが人類史において画期的な出来事であると考えられるのかを見ていきましょう。

認知革命とは何か?

認知革命とは、ホモ・サピエンスが他の動物とは異なる知的能力を獲得した出来事を指します。具体的には、この革命によりサピエンスは抽象的な思考、複雑な言語、豊かな想像力を持つようになりました。この変化により、サピエンスは情報を共有し、集団で協力し、未来を計画し、複雑な社会や文化を構築する能力を得ました。これは、単なる遺伝的な進化の一部ではなく、サピエンスが他の動物とは全く異なる道を歩むことを可能にした、精神的および文化的な進化です。

ハラリは、この認知革命がなぜ重要であるかについて、いくつかの理由を挙げています。

  1. 言語の発展と情報共有
    認知革命の一環として、サピエンスは非常に高度で柔軟な言語を発展させました。この言語の進化により、サピエンスは複雑で抽象的な概念を伝えることができるようになりました。たとえば、過去の経験から得た教訓を共有したり、未来の計画について議論したりすることが可能になったのです。これにより、集団での意思決定や協力が促進され、より大きなコミュニティや社会構造の形成が可能になりました。
  2. フィクションと想像力の力
    ハラリはまた、フィクションや想像力の力が認知革命の中心的な要素であると述べています。サピエンスは、実際には存在しない概念や存在(例えば、神話、宗教、国民、企業など)を創造し、それを共有することで、大規模な協力を可能にしました。たとえば、見知らぬ人同士でも「宗教的信念」や「国家」という概念を共有していれば、互いに信頼し、協力し合うことができるのです。この能力がなければ、現代のような巨大な社会や国家、経済システムは成立しなかったでしょう。
  3. 社会的構造の進化
    認知革命により、サピエンスはより複雑な社会的構造を形成することが可能になりました。それまでの人類の生活は、比較的単純な狩猟採集社会に限られていましたが、認知革命によって、農業、商業、そして後の産業革命といった複雑な社会的・経済的システムが生まれる土壌が整えられたのです。人類は新しい環境に迅速に適応し、異なる文化や社会システムを発展させることができるようになりました。

なぜ認知革命が最も重要な転換点の一つなのか?

ハラリが認知革命を最も重要な転換点の一つと位置づける理由は、これが人類の「特異性」を生み出したからです。私たちが今日持っている科学技術、宗教、経済、政治制度など、すべてはこの革命の産物です。認知革命がなければ、人類は他の動物と同じく、自然界の一部として生きる存在でしかなかったでしょう。けれども、この認知革命が起こったことで、人類は他の生物とは異なる存在となり、自らの運命を切り開く力を持つようになったのです。

さらに、ハラリは認知革命が一種の「グローバル化」を引き起こしたとも言います。人類はこの革命を通じて、異なる文化やアイデアを交流させ、新たな知識や技術を共有することで、より複雑な社会を構築する道を歩み始めました。これは、私たちが今日経験している急速な技術革新や文化的な相互作用の原点とも言えます。

僕が学んだこと・考えたこと

ここからは、『サピエンス全史』を読んで、僕が学んだこと、考えたことを共有します!

信じる「虚構」を変えれば、人は変われる

「人は何者にでもなれる。いつからでも。」がモットーのYouTuberがいます。僕も『サピエンス全史』の「認知革命」の章を読んで、そう考えるようになりました。

そう、人は変われるのです。いつからでも。

なぜ僕がそう考えたかというと、本書によれば採集民と現代人の間にはDNAなどの生物学レベルでは大きな違いはないそうです。みな、同じホモサピエンスです。しかし、採集民と私たちでは生活スタイルや文化などが大きく異なっています。それどころか、今に生きている私たちの間でもそれらは異なっています。生物学的に大きく変わらないにも関わらず、どうして私たちは大きく異なっているのでしょうか?そこで登場するのが認知革命のキーワード、「虚構」です。「虚構」とは、先に紹介したとおり、フィクションのことです。この「虚構」こそ、僕が人は変われると考える理由です。何を信じるかを変えれば、人は変われます。

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僕は井上雄彦の『スラムダンク』を読み、特に山王工業の堂本監督が言った「這い上がろう。負けたことがあるというのがいつか大きな財産になる。」というセリフに深く感銘を受けました。それまで、僕は失敗や負けることを極端に恐れ、過去の失敗にばかり目を向けていました。しかし、この言葉をきっかけに、失敗そのものではなく、その後にどう行動するかが未来を変えるカギだと気づいたんです。失敗は成長のチャンスであり、負けから学ぶことができれば、それは将来の大きな財産になると実感しました。それから、困難なことにもチャレンジする、そのチャレンジを楽しむという風に考えられるようになりました。自分の失敗に対する考えを変えてくれた体験です!

自分が信じる「虚構」を変えることができれば、人は変われると僕は考えます。あなたはどんな「虚構」を信じますか?

信じるものを変えれば、人は変われる。どの「虚構」を信じるかを変えれば、自分を変えることができる!

まとめ

今回は世界的に大ヒットし、ビジネス書グランプリ2017 リベラルアーツ部門 第1位にも輝いたユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』の「認知革命」の章を紹介しました。ホモサピエンスがその他の生物を圧倒し、地上の支配者となれたのは、フィクションを信じる能力があったからだという著者の主張には驚かされました。それと同時に、フィクションを信じることで社会が発展してきたのならば、自分個人が変わるのはもっと簡単なのでは?とも考えました。

本書ではこの後、「農業革命」「統一」「科学革命」と続いていきます。次回は「農業革命」の章を紹介していこうと思います。お楽しみに!

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