「将来、どんな仕事をしようかな…」
「給料は高いけど、本当にこの仕事でいいんだろうか？」
「やりがいはあるけど、ちゃんと生活していけるのかな？」
ふとキャリアについて考えると、こんな悩みが頭をよぎりませんか？
多くの人が、「お金」と「やりがい」を天秤にかけ、どちらかを選ばなければいけないと考えてしまいがちです。しかし、もしその二者択一が、そもそも考える必要のない悩みだとしたらどうでしょう。
この記事では、新一万円札の顔としても知られる渋沢栄一の不朽の名著『論語と算盤』をご紹介します。100年以上も前に書かれたこの本には、現代を生きる私たちが抱える「お金とやりがい」の悩みを解決し、豊かに生きるための「思考の軸」が詰まっています。
この記事を読めば、『論語と算盤』がなぜ今の人々にこそ必要なのか、そしてあなたの生活や未来をどうアップデートしてくれるのかが分かります。就職活動を始める前、社会に出る前の「今」だからこそ、一生モノのコンパスを手に入れてみませんか？
『論語と算盤』は僕の中で、まさに「Polaris」となる一冊です。読み終えた後、視界がぱっと開けるような感覚がありました。
皆さんにもこの記事でその感覚を感じてもらいたいです！
『論語と算盤』って、どんな本？
「古典ってなんだか難しそう…」と感じるかもしれませんが、心配ありません。『論語と算盤』の基本的な考え方は、驚くほどシンプルで、私たちの日常にも深く関わっています。
まずは、著者である渋沢栄一と、本書の核心的なメッセージについて解説します。
著者・渋沢栄一は「日本資本主義の父」
渋沢栄一は、約500もの会社の設立に関わった、近代日本の経済の礎を築いたスーパー実業家です。
彼は生涯を通じて、単にお金を儲けるだけでなく、その事業が社会を良くすることに繋がるかを常に考えていました。その思想の根幹にあったのが、次に説明する「道徳経済合一説」です。
彼が設立に関わった企業には、第一国立銀行（現：みずほ銀行）や東京ガス、東京証券取引所など、現代の私たちの生活に欠かせないものが数多く含まれています。これは、彼の事業がいかに長期的で社会的な視点を持っていたかの証明と言えるでしょう。
核心は「論語（道徳）」と「算盤（経済）」は両輪という考え
『論語と算盤』が説く考え方の核心は、「人としての正しい道（論語）と利益を追求する経済活動（算盤）は、どちらか一方ではなく、両立させてこそ真の成功がある」という考え方です。
渋沢は、道徳を欠いた利益追求は長続きせず、逆に、利益を度外視した理想論だけでは事業も社会貢献も継続できない、と考えていました。これらは車の両輪のように、どちらが欠けても前に進むことはできないのです。
これは、大学のサークル活動に例えると非常に分かりやすいです。
- 論語（道徳）の部分：仲間との絆を深め、同じ目標に向かって練習したり、イベントを企画したりする「やりがい」や「楽しさ」。
- 算盤（経済）の部分：活動を続けるために、部費を集めて予算を管理し、必要な物品を購入する「現実的な運営」。
もし「楽しさ」だけを追求して予算管理が杜撰になれば、サークルは存続の危機に陥ります。逆に、お金のことばかり考えていたら、本来の活動の楽しさや仲間との絆は失われてしまうでしょう。充実した活動には、この両方のバランスが不可欠です。
『論語と算盤』3つの思考の柱
ここまででお伝えしたように、本書の核心は「論語（道徳）」と「算盤（経済）」の両立にあります。では実際に渋沢栄一は、このテーマをどのように展開しているのでしょうか。『論語と算盤』の中でも特に役立つ3つの柱を紹介します。
1. お金を稼ぐことと道徳の両立
「利益を追求することは悪ではない。しかし、その方法が正しい道理に反してはならない」——これが渋沢の基本姿勢です。
彼は、富を築くこと自体を否定していません。むしろ「正しい道理に基づいた富こそ永続する」と繰り返し述べています。例えば詐欺的に得た利益は一時的に膨らんでも、必ず信頼を失い、事業は崩壊します。一方で誠実に築いた富は、社会全体を潤しながら持続的に増えていくのです。
これはキャリア選びにも直結します。給与（算盤）だけに目を奪われるのではなく、その企業が「正しいことをしているか」（論語）を重視すること。道徳と利益を両立させた働き方こそ、長期的に安心して続けられるキャリアになります。
2. 信用こそ最大の資本
『論語と算盤』の中でも特に強調されるのが「信用」の大切さです。渋沢は「財産は失っても取り戻せるが、信用を失ったら終わり」と言い切ります。
信用とは、友人や仲間、社会から「この人は誠実だ」と思ってもらえること。これは目に見えるお金やモノよりも価値があり、人生を左右する無形資産です。
大学生活でも同じことが言えます。グループワークで約束を守る、アルバイトで責任を持って働く、友人の相談に真剣に耳を傾ける——こうした小さな積み重ねが信用を築きます。逆に「一度の裏切り」が信用を失う決定打になることもあります。
就職してからも同じです。いくら実力があっても「信用できない人」と見なされた瞬間、大きなチャンスは回ってきません。だからこそ渋沢は、信用を何よりも大切にすべきだと説いているのです。
3. 社会貢献と公共性の意識
渋沢は、個人の利益と社会の利益は対立するものではなく、両立できると考えていました。むしろ「社会全体に益をもたらす事業こそ、最終的に個人の利益も最大化する」と強調します。
これは現代で言えば「CSR（企業の社会的責任）」や「SDGs」に通じる発想です。例えば環境問題に取り組む企業は、一時的にコストがかかっても、社会的評価が高まり、長期的には利益を得やすくなります。
大学生にとっても「社会にどう役立つか」を考える視点は大切です。サークル活動で地域とつながる、ボランティアに参加する、学んだことを社会課題に結びつけて考えてみる。こうした行動が、キャリア形成の強力な土台になります。
渋沢の言葉を借りれば、道徳なき経済は暴走し、経済なき道徳は空論に終わります。社会貢献を意識した経済活動こそが、持続可能で豊かな未来をつくるのです。
ここまで読んで、「『論語と算盤』、なんだか面白そう。でも、分厚い本を読む時間なんてないよ…」と感じたあなたへ。忙しい大学生活の中でも、効率的に一生モノの教養を身につける方法があります。
まとめ
この記事では、渋沢栄一の名著『論語と算盤』が、なぜ現代の人々にとって必読の書であるかを、3つの力に分けて解説しました。
・真の成功とは、「人としての正しい道（論語）と利益を追求する経済活動（算盤）」の両立により得られる。
・「信用」はかけがえのない財産。得るには時間がかかるが、失うのは一瞬。
・「社会にとって役に立つか」を考える視点を持つ。
「お金」と「やりがい」は、対立するものではありません。『論語と算盤』は、その両方を追い求めることが可能であり、それこそが人生を豊かにする道なのだと教えてくれます。
変化が激しく、未来の予測が困難な時代だからこそ、100年以上も読み継がれてきた普遍的な「思考の軸」が、あなたを導く「Polaris」になるはずです。
将来への漠然とした不安を、『論語と算盤』で得られる「Polaris」で乗り越えていきませんか？
『論語と算盤』を今すぐお得に読む方法
正直、この記事で紹介した本を「積ん読」で終わらせたら、人生で少し損をしてしまうレベルで、得られるものが多い一冊です。
「そうは言っても、なかなか時間が…」という君のために、僕自身も実践している読書スタイルを2つ紹介します。
「聴く」派の僕のおすすめは、やっぱりAudible
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